大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和32(オ)411 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人湯沢春寿の上告理由第一点について。

賃借人が賃貸人の承諾を得ないで賃借権を譲渡した場合、それが賃貸人に対する

背信行為と認めるに足りない特段の事情のあるとき、賃貸人は、民法六一二条二項

による解除権を行使し得ないと解すべきことは当裁判所の判例(昭和三一年五月八

日判決、民集一〇巻四七五頁以下)とするところであり、右特段の事情の存するこ

とを認定して係争賃貸借契約の解除の効力を否定した原審の判断に所論違法はない。

同第二点について。

罹災都市借地借家臨時処理法一〇条にいわゆる罹災地借地権者がその土地に建物

を所有する第三者に対しその建物の収去土地の明渡を請求する権利を有すると解す

べきことは当裁判所の判例(昭和三〇年四月五日判決、民集九巻四三一頁以下)と

するところであり、被上告人が右罹災地借地権者であることを確定し同人が右法条

に基きその借地権を以て第三者に対抗し得べき旨を明らかにして居る原審に所論違

法は認められない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 垂 水 克 己

裁判官 石 坂 修 一

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